火災保険は一度使うと高くなる?利用回数に制限はある?

火災保険は一度使うとそのあと保険はどうなるのかをご存知でしょうか?

「保険料は高くなる?」「火災保険が終了する?」

なかなか使用する機会がない火災保険ですが、いざ使用することになるとどうなってしまうのか?不安に感じている人も多いはず。

本記事ではそんな方に向けて、火災保険を一度使うとどうなるのか。また、火災保険請求時の注意点について解説します!

知っておくと、実際に火災保険が必要になった時にも安心できる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

火災保険は一度使うと、自動車保険のように次年度は高くなる?

結論からいうと、火災保険は保険を使ったからといって保険料が値上がることはありません

火災保険は自動車保険のような等級は存在せず、保険を使用した回数は保険料へ影響することはありません。しかし、自然災害の発生頻度によっては更新の際、火災保険料が値上がることがあります。

風災・水災などを補償する火災保険では各地域ごとの”災害のリスク”の高さが火災保険の保険料率に大きな影響を与えています。

MEMO
2019年10月には全国平均4.9%の火災保険料が値上げとなりました。さらに2021年1月には、地震保険と火災保険両方がさらに値上げされるなど、近年の風災・洪水の被害が火災保険料に大きく影響しています。

参照:ダイヤモンド

火災保険は利用できる回数に制限はある?

火災保険に利用制限はありません。基本的には無制限です。

保険期間内に損害が認められれれば、利用回数に制限なく補償を受けることができます。

  • 4月に台風で屋根が剥がれ→修理代金20万
  • 4月後半にゲリラ豪雨で床下浸水→30万の被害額。
  • 5月地震で壁にヒビ→修理代50万円かかった。

→上記例の場合、風災・水災・地震保険を補償内容に含んでいる火災保険に加入していた場合、すべての保険金を受け取ることができます。

注意
ただし、保険金額の上限は加入時に設定した保険金額内と決まっています。

また、保険金を請求できる期間には制限があります。

(消滅時効)
第九十五条 保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第六十三条又は第九十二条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、これらを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。
引用元:保険法

保険法代95条により、保険金請求ができる期限は3年以内と定められています。回数に制限はありませんが、期間に制限があることを覚えておきましょう。

「一度目」と「二度目」火災保険利用する際の注意点

基本的に利用回数に制限のない火災保険ですが、例外になるケースがあります。

「一度目」の利用で火災保険が終了する場合や「二度目」の請求時に通らない場合が考えられます。

それぞれ注意点が異なりますのでそれぞれの事例をご紹介します。

一度目の利用で火災保険が失効・終了するケース

火災保険を一度請求すると失効または終了する事例は2つあります。

  1. 一回の請求金額が保険金限度額に達した場合
  2. 全焼や全損の状態で請求した場合

ケース①:一回の請求金額が保険金限度額に達した場合

火災や自然災害で建物が全焼・全損。火災保険から契約している保険金(保険金限度額)が全額支払われると、補償の対象がなくなるため火災保険の契約は終了します。

注意
建物とセットで地震保険に加入している場合は、地震保険の契約も終了します

ケース②:全焼や全損の状態で請求した場合

一度の請求が契約している保険金額の80%を超えた場合は、その時点で火災保険が終了します。

注意
各保険会社によって異なる場合がありますので、事前に確認をしておきましょう

二度目の利用で火災保険の請求が通らないケース

二度目の保険金請求が通らない事例を2つ見てみましょう。

  1. 一度目の保険金を受け取ってから修理をせず、二度目に同じ箇所の請求をした場合
  2. 72時間以内の地震で二度目の保険金請求をした場合

ケース①:一度目の保険金を受け取ってから修理をせず二度目に同じ箇所の請求をした場合

保険金を受け取ってから修理をせずに放置していた被害箇所が悪化・被害を受けるなどで、二度目の損害を申請しても保険金申請は通りません。

例)台風でベランダのトタン屋根に穴があいたので一度目の火災保険を請求し保険金を受け取る。→保険金を修理に使わなかった。→翌年度、台風が来て穴が広がった。→この場合の申請は通りません。

実は火災保険の申請によって得た保険金は、必ず修理に使用しなければいけないというルールはなく、どのように利用しても問題ありません。

ただし、修理に使用しなかった場合は同じ場所を請求することができなくなってしまいますので、今後も使用する可能性があるのであれば修理をしておいた方が安心です。

注意
一度目の申請時に修理をおこなったが、同じ箇所が被害にあった場合は保険請求は認められます。

ケース②:72時間以内の地震で二度目の保険金請求をした場合

地震保険法では、数回地震が起こった場合の保険金請求に関して第三条4項に以下のように定義されています。

(政府の再保険)
第三条 七十二時間以内に生じた二以上の地震等は、一括して一回の地震等とみなす。ただし、被災地域が全く重複しない場合は、この限りでない。
引用元:地震保険法

72時間以内の地震は、同一とみなされるため二度目の保険金請求申請は通りませんが、一度の保険金請求で72時間以内に起こった地震による全ての被害を保険請求することは可能です。

MEMO
その他にも地震が複数回あった場合のルールが以下の通り定められています。

  • 地震等が発生した日の翌日から10日経過後に生じた損害は対象外
  • 全損認定となれば契約は終了

いざという時のために覚えておこう!火災保険の請求方法

火災保険の請求時には、被害を受けた証拠として写真を申請する必要がある場合もあります。

写真を撮っておく必要があったことを知らず、先に修理してしまうと保険請求ができない場合もありますので、いざという時のために請求方法の流れは事前に知っておきましょう!

保険金請求に必要な主な書類はこちら。

必要書類
  • 保険金請求書
  • 事故内容報告書
  • 修理の見積書
  • 自然災害であることを証明する写真

火災保険申請〜請求までの流れ

保険金請求の流れを簡単にまとめていますので、ぜひ頭に入れておきましょう。

手順1
保険会社へ連絡
会社によって必要書類は異なる場合がありますので、まずは加入している損害保険会社へ事故連絡を入れましょう。請求に必要な書類を送ってもらいます。
手順2
修理を依頼する
リフォーム会社や工務店などに修理を依頼し、修理代金の見積もりを取ってもらう。
手順3
必要書類を送付
保険会社へ必要書類を提出します。
手順4
保険会社からの調査
保険会社が必要と判断した場合は、実際に保険会社の調査員が調査にやってきます。(※書類のみで審査が通る場合もあります。)
手順5
保険金入金
保険会社の審査によって火災保険の申請が通った場合、保険金が振り込まれます。
注意
請求前に損害部分の修理をしてから請求する必要のある保険会社もあります。その場合は、見積もりではなく修理費用の領収書を提出する必要がありますので、加入している保険会社に聞いておきましょう。

まとめ

火災保険はたとえ何度使用することになっても保険料が上がる、保険請求ができないなどのデメリットはありません。補償範囲内であれば無制限で使用できるとても便利な保険です。

ただし、一度目の請求で利用できなくなる場合と二度目の請求が通らない場合は覚えておくことが大切です。

【一度目の請求で利用できなくなる場合】

  • 一回の請求金額が保険金限度額に達した場合
  • 全焼や全損の状態で請求した場合

【二度目の請求が通らない場合】

  • 一度目の保険金を受け取ってから修理をせず、二度目に同じ箇所の請求をした場合
  • 72時間以内の地震で二度目の保険金請求をした場合

請求することのデメリットはありませんので、少し損傷した程度でも請求してもいいのか?と迷っている方も積極的に申請することをおすすめします。

せっかく火災保険料を支払っているのであれば、火災保険の何度でも請求できるという特性をしっかりと活用していきましょう!

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