火災保険の給付金請求は簡単!自分で行う場合に知っておきたい3つのポイント

火災保険の給付金請求を難しく感じている人が多いようですが、実は火災保険の申請方法自体はとてもシンプルなものです。

ただ、確かに火災保険の内容は複雑で、どんな時に火災保険の給付金をもらうことができるのか分かりにくく、初めての給付金請求では、申請時には必要書類が揃えられていなかったり、不備があったりと、審査が長くかかってしまいやすいのも事実です。

さらには、ネットには「自分で火災保険の給付金請求を行うと保険が出にくい」といった内容も書いてあるため、自分では給付金請求をしない方がいいのでは。と感じている人も多いかもしれません。

そこで、初めての方でも分かりやすいよう事前に知っておきたい給付金請求のポイントをまとめています。この記事を読めば、火災保険の給付金請求を自分で行うことは決して難しくないということが分かるはずです。ぜひ、最後までご覧ください。

火災保険の給付金がもらえるのはどんな時?

火災保険は、火災・風水害・地震・盗難など日常生活に起こりうる偶発的かつ突発的な事故に対して補償するための保険です。

そのため、火災保険の給付金がもらえるのは、加入している火災保険の補償範囲内かつ自然災害などの偶発的な事故が起こった時です。

事故種類 2019年度
件数 保険金(千万)
火災・破裂・爆発 7,165 35,774,797
落雷 29,048 9,315,705
風災・ひょう災 507,309 412,395,467
雪災 36,851 23,363,809
水災 20,689 111,027,251
水濡れ 47,281 31,464,468
その他(盗難・破損など) 210,503 37,776,467
合計 858,846 661,117,966

引用元:損害保険料率算出機構

2019年の最も多い事故は風災・ひょう災による被害で、損害保険料率算出機構によるとその支払件数は約50万件、支払った保険金は約4兆にも上ります。

次に支払った保険金が多い被害は、水災で約1兆円だということが分かります。

このように近年の大規模自然災害により、風災・水災による被害額は膨大なものになっており、これまでよりも手厚くしたいと考えている世帯も増えてきています。

火災保険の給付金をもらえないケースって?

一方で、損害があっても給付金がもらえないケースをご紹介します。

  1. 経年劣化や老化による損害
  2. 故意的または重大な過失による損害
  3. 風災被害額20万円以下の場合

ケース①:経年劣化や老化による損害

経年劣化による被害は、火災保険適用外となります。

火災保険は自然災害など突発的な被害に備える保険ですので、徐々に劣化していく経年劣化は保険を使うことはできません。

もしも、保険会社の調査によって経年劣化や老化によるものと判断された場合には給付金をもらうことはできません。

ケース②:故意的または重大な過失による損害

保険法第17条によって、契約者の故意的または重要な過失によって生じた損害は補償しないとされています。

これまでに重大な過失として認められた事例には、少し注意すれば事故が起こらなかったのに、過ごしてしまったことにより起こったケースも入ります。

具体的には以下のような事故が含まれます。

  • 台所のガスコンロに天ぷら油の入った鍋をかけて加熱中、その場を離れて出火させた場合
  • たばこの吸殻が完全に消えたことを確認せず、その吸殻を紙類が入ったビニール製ごみ袋に入れて放置したまま外出し、出火した場合
  • 漏電の可能性があり回線修理等の指摘を受けたが、適切な措置を講じなかったため、漏電により出火した場合 など

引用元:日本損害保険協会

ケース③:風災・ひょう災・雪災の修理代金が20万円以下の場合

他の被害とは異なり、風災被害で補償するのは「20万円以上の修理が必要な被害に限る」と定めている保険会社が多くあります。

Q.【火災保険】風災・雹(ひょう)災・雪災支払条件変更(20万円以上事故補償)特約とは何ですか?

A.風災、雹(ひょう)災、雪災の事故によって保険の対象に20万円以上の損害が生じた場合、免責金額を適用せずに損害保険金をお支払いします。ただし、20万円未満の損害の場合は損害保険金をお支払いしません。

※2015年10月1日以降始期契約にセット可能ですが、保険期間の中途でのセットや削除はできません。
(上記の回答は、GK すまいの保険・5年以下用/スーパーロング/マンション管理組合用/グランドについての回答となります。)

引用元:三井住友海上

つまり、見積もり額が20万円以下の修理費用だった場合、その修理代金は全額自己負担となってしまうので注意が必要です。

MEMO
修理代金が20万円以下の場合でも火災保険を適用できる特約(オプション)を用意している会社もありますので、気になる方は保険会社へ問い合わせてみましょう。

給付金請求「3つのポイント」

初めての方が火災保険の給付金申請をする際には気をつけたいポイントがあります。

とはいえ、どれも難しいことではありませんので初めての方でも心配はいりません。

給付金を請求する際には、以下の3つのポイントに注意してみましょう。

  1. 適用範囲を確認する
  2. 給付金の請求期限に注意
  3. 被災した状態を写真に収めておく

ポイント①:適用範囲を確認

自分で給付金を請求するために、まずは加入しているの火災保険内容と適用範囲を正しく知る必要があります。

例えば、台風で被害にあったのであれば「風災」に加入している必要がありますし、地震で被災したのであれば「地震保険」に加入している必要があります。

保険証券を見ることが最も簡単な方法ではありますが、無くしてしまったという方も少なくありません。その場合は、保険会社へ連絡すると現在加入中の保険内容を送ってもらいましょう。

火災保険の適用範囲については以下の記事で詳しく解説しています。

火災保険の適用範囲とは?加入中の補償内容でどこまでカバーできてる? 火災保険の適用範囲とは?加入中の補償内容でどこまでカバーできてる?

ポイント②:給付金の請求期限に注意

火災保険には請求できる期限があります。

これは保険法第95条により定められおり、どの保険会社も同じ請求期限です。

(消滅時効)
第九十五条 保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第六十三条又は第九十二条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、これらを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。

引用元:保険法

この期限を過ぎてしまうと、たとえお金を払って保険代行業者へ委託しても保険金を請求することはできなくなりますので注意しましょう。

火災保険の適用期間|適用開始日や請求期限をわかりやすく解説

ポイント③:被災した状態を写真に収めておく

被災してしまったら、できるだけ早い段階で現場の写真を撮っておきましょう。

被災から時間が経っている場合や、その場を片付けたあとに写真を撮ると、場合によっては手を加えたと判断されたり、保険会社の調査に時間がかかって給付金までの時間が長くなったりすることもありますので注意しましょう。

MEMO
保険会社は写真で、被害状況が充分に判断ができる場合、調査員が現場に足を運ばず、添付した写真のみで保険金を振り込んでくれるケースもあり、早ければ保険金申請日から数日ほどで振り込まれます。保険金をより早くもらうためにも保険会社が判断しやすいように、全体と詳細が分かるような写真、角度を変えてより被災状況が分かりやすい写真を心がけることが大切です。

火災保険の給付金に必要な書類はたった3つ!

さきほどの火災保険の3つのポイントを抑えたら、いよいよ給付金申請をしてみましょう。

給付金を請求するための必要書類は主に以下の3つです。

  1. 保険金請求書(+事故状況説明書)
  2. 修理見積書
  3. 被害箇所の写真

修理見積書は被害によっては必要のない場合もあります。保険会社によって必要書類が違ってきますので、まずは保険会社へ被害があることを伝えて指示をもらいましょう。

火災保険の給付金申請手順

手順1
保険会社へ連絡
請求に必要な書類を送ってもらいます。
手順2
修理を依頼する
リフォーム会社や工務店などに修理を依頼し、修理代金の見積もりを取ってもらう。
手順3
必要書類を送付
保険会社へ必要書類を提出します。(通常、この時に被害状況の写真も送付します)
手順4
保険会社からの調査
保険会社が必要と判断した場合は、実際に保険会社の調査員が調査にやってきます。(※書類のみで審査が通る場合もあります。)
手順5
保険金入金
保険会社の審査によって火災保険の申請が通った場合、保険金が振り込まれます。

まとめ

給付金の請求は契約者本人が行うこととされています。

保険会社としても、全く知識がない人でも保険金を請求できるようなコールセンターやネットからの請求などサポートシステムが充実しているため、一度でも自分で保険金請求をしてみると簡単だと感じるはずです。

ただし、申請途中で難しく感じた場合や申請する時間がない場合は専門業者へ頼むのも一つの選択だと考えておきましょう。

専門業者へ依頼するメリット・デメリットは以下の記事で解説しています。

火災保険は自分で保険金請求するより専門業者に任せた方がいい?

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