台風被害のカーポート修理は火災保険の適用範囲?申請可能な3つの条件

カーポート

「屋根の一部が飛んでしまった」

「カーポートの柱が変形してしまった」

など、台風による強風が原因でカーポートの修理が必要となった場合、カーポートの修繕費用を火災保険でまかなうことができます!

ただし、カーポート修理が火災保険の対象となるにはいくつか条件があり、その条件が揃っていても申請方法に誤りがあると保険が下りない可能性がありますので注意が必要です。

そこで本記事では、カーポート破損で火災保険を確実にもらうための4つのコツをご紹介しています。

火災保険を申請する前にはぜひ、こちらをチェックしておいてくださいね。

火災保険の適用範囲とは?

火災保険の適用範囲とは、自然災害などの突発的な被害による損害費用を保険会社が補償する範囲のことです。

もしかすると、火災保険で保険金がもらえるのは対象は「火災」が起こった時だけ。と思っていませんか?しかし実は、火災保険はとっても広い範囲での補償があり、台風による風災被害もカバーできます。

その他にも火災保険の適用範囲としては、落雷、破裂・爆発による損害、風災・雹(ひょう)災・雪災・盗難・水濡(ぬ)れ・破損・汚損等があり、火災保険は日常生活において考えられるあらゆるリスクを補償してくれます。

火災保険の適用範囲について詳しく知りたい方は以下の記事で解説していますのでご参照ください。

火災保険の適用範囲とは?加入中の補償内容でどこまでカバーできてる? 火災保険の適用範囲とは?加入中の補償内容でどこまでカバーできてる?
注意
ただし、火災保険の適用範囲は保険加入時に選択しておく必要があり、台風被害によるカーポートの修繕を行いたい場合は「風災」が火災保険の適用範囲になっていなければなりませんので注意しましょう。

カーポートの破損が火災保険の申請可能な3つの条件

台風によってカーポートが破損してしまった場合でも、残念ながらその全てが火災保険の対象となるわけではありません。ここでは、火災保険の申請が可能となる3つの条件をご紹介していますので、以下の条件に当てはまるかを確認してみましょう。

条件①:保険の適用範囲に「建物」を入れていること

火災保険の適用対象は大きく分けて「建物」と「家財」の2種類に分かれており、火災保険でカーポート修理を申請する場合「建物」を保険対象にしていることが一つ目の条件となります。

保険対象の詳しい内容に関しては以下の表をご覧ください。

保険の対象 補償範囲
建物 門・塀、物置、基礎部分、車庫、浴槽、調理台、床暖房、地デジ・アンテナ、便器、窓、屋根など
家財 テレビ、冷蔵庫、パソコン、テーブル、洋服、生活雑貨、カーテン、自転車、現金(盗難の場合)など

カーポートは車庫に該当しますので、「建物」が保険の対象となっていることが分かります。

「建物」の対象となる具体例

  • 畳や備えつけの収納などの建具
  • 建物に直接備え付けた電気やガス、冷房・暖房等の設備
  • 建物に直接備え付けた浴槽や流し、ガス台、調理台
  • 門、塀もしくは垣または物置、車庫やカーポートなどその他の付属建物

引用元:ソニー損保「建物」と「家財」について」

上記のようにソニー損保のホームページにおいて、カーポートは「建物」の対象になることが記載されています。

MEMO
まずは加入中している火災保険の補償内容に「建物」が含まれているかを確認してみましょう

条件②:予測不能かつ突発的な被害であること

カーポートの損害は、予測不可能で突発的な被害であり、故意的や経年劣化ではないことが2つ目の条件です。

台風が起こる以前からカーポートが劣化していた場合でも、台風が直接的な原因となり、屋根や柱が損失したのであれば火災保険を申請できる可能性はあります。しかしこのケースでは、一部経年劣化とみなされ、カーポート修理費用の全額はもらえない可能性があります。

一般的に、住宅年数が古い家ほど経年劣化と判断されやすくなります。10年以上の住宅で申請する場合は、申請サポート業者など保険請求のプロへ相談してみることをおすすめします。

申請サポート業者に依頼するメリット・デメリットはこちらの記事でご覧ください。

火災保険は自分で保険金請求するより専門業者に任せた方がいい?
注意
火災保険の申請では「被害が起こった原因」は、とても重要なポイントとなります。申請時に、カーポートの被害が経年劣化によるものであると判断されれば、保険金は一切出ません。あくまでも最終的な破損の引き金は「台風被害によるもの」であることを主張することが大切です。

条件③:最大瞬間風速が20km/秒以上の風災被害であること

火災保険で台風被害と認められるのは最大瞬間風速20km/秒以上の強風によるものです。気象庁では以下のように示しています。

【平均風速20m/s以上】(非常に強い風)

  • 何かにつかまっていないと立っていられない。
  • 飛来物によって負傷するおそれがある。
  • 細い木の幹が折れ、根の張っていない木が倒れ始める。
  • 看板が落下・飛散する。
  • 道路標識が傾く。
  • 車は通常の速度で運転するのが困難になる。
  • 屋根瓦・葺材が飛散するものがある。

引用元:気象庁「風の強さと吹き方」

保険会社が強風によっての被害であると判断される基準がこの最大瞬間風速20km/秒となります。立っていられない状態や物が飛んでくる可能性のある中型台風以上だと考えておきましょう。

カーポートの破損で確実に保険をもらうための4つのコツ

火災保険は知識のない素人が申請すると、もらえるはずの保険金がもらえなかった。なんてこともよくあります。確実に給付金をもらうためには、火災保険申請のコツを抑えておく必要があります。

コツ①:被害内容を証明するための写真を撮っておく

火災保険で風災被害と認定してもらうためには、カーポート被害が台風によるものであることを証明する必要があります。

そのためには、カーポートの破損状況を写真に収めておきましょう。ただし、申請時に送付した写真で被害状況を判断できない場合は、火災保険の鑑定人が訪問することとなります。

こうなると、給付が長引いてしまいますし、厳しく判断される可能性がありますので、写真で被害状況が分かりやすいよう角度を変えてできるだけ多くの写真を送付することがポイントです。

コツ②:カーポートの破損を放置しない

カーポートの破損に気が付いたら、できるだけ早い段階で保険会社へ連絡しましょう。

火災保険の申請期間は法律によって3年と定められていますので、3年以内であれば請求することは可能です。しかし、カーポートの損傷を長い間放っておくと、プロの目から見ても損傷原因を特定しにくくなってしまいます。

万が一、台風被害ではなく経年劣化によるものだと判断されてしまうと、もらえたはずの保険金がもらえない可能性が高くなってしまいます。確実に保険金をもらうためには、いち早く申請することが大切です。

コツ③:風災補償の免責金額を少なくしておく

風災補償では、20万円以下の修理費用は補償されない「FC方式(フランチャイズ方式)」が自動付帯されていることがあります。この特約を付帯している保険では、20万円以下の修理費用では保険金を1円ももらうことができません。

現在、多くの損害保険会社では、風災補償の免責金額を選択できるようになっており、保険会社によって免責金額は0円、3万円、5万円、10万円など選ぶことができます。免責金額が低いほど火災保険料は高くなりますが、その分修理費用の負担額は少なくなります。

特に風災被害の受けやすい地域でカーポートを設置している方は、免責金額を少なく設定しておくことをおすすめします。

注意
一昔前の火災保険では、多くの風災補償でFC方式が採用されていました。古い保険に加入しているという方はいま一度、保険内容確認しておきましょう。

コツ④:66㎡以上のカーポートには「屋外明記物件特約」を付帯しておく

保険会社によっては、延床面積66㎡以上のカーポートは対象外となっていることがあります。

Q.【火災保険】「建物」に保険をかけています。敷地内にある物置が台風で飛ばされた場合は補償されますか?

A.物置の延床面積が66㎡未満で、ご契約時に含めない旨のお申出がない限り、建物契約の保険の対象に含まれるため、補償対象です。

物置の延床面積が66㎡以上の場合、「屋外明記物件特約」をセットしていれば補償対象となります。

引用元:三井住友海上「よくあるお問い合わせ

延床面積が66㎡以上のカーポートをお持ちの場合は、申込時に「屋外明記物件特約」を付帯しておくと安心です。

まとめ

台風被害によるカーポート修理で火災保険を適用するための3つの条件と4つの申請のコツをご紹介しましたので、最後にまとめておきます。

【火災保険が適用される3つの条件】

  • 保険の適用範囲に「建物」を入れている
  • 予測不可能な突発的な被害
  • 最大瞬間風速が20km/秒以上の台風被害

【火災保険を確実にもらうための4つのコツ】

  • 被害内容を証明するための写真を撮っておく
  • カーポートの破損に気付いたらすぐに申請する
  • 風災補償の「免責を0円」にしておく
  • 66㎡以上のカーポートには「屋外明記物件特約」を付帯しておく

これらの適用条件と申請のコツで火災保険を活用したカーポート修理を行いましょう。