エアコンの故障で火災保険が使える?知っておきたい保険の知識まとめ

エアコン

1台で冷房から暖房までをカバーするエアコンは、快適な生活を送るための必需品。

そんなエアコンが故障して、修理や交換をしたいけど、修理費用が高くて悩んでいる…という方に朗報です。

エアコンや室外機は火災保険の適用範囲内であり、エアコン修理で火災保険が使える可能性があります!

本記事では、火災保険でエアコン修理ができるケースをご紹介します。さらに、給付金請求の流れから注意点まで、分かりやすくまとめています。

エアコンの故障は火災保険が使える?

エアコンは、火災保険の対象範囲です。そのため、エアコンが故障した際の修理費用は保険金で補うことができます。

ただし、エアコンの故障原因によって火災保険が認められないケースもありますので以下で火災保険が使えるケースと使えないケースを見てみましょう。

火災保険が使えるケース

エアコン修理で火災保険が適用になるのは、自然災害または偶発的な事故による故障の場合です。具体的には、火災・水災・風災・雪災・落雷・盗難・破損・汚損など、火災保険の補償範囲に当てはまる場合に補償されます。

具体的な故障内容はこちら。

水濡れ

上の階からの水漏れによってエアコンが故障した場合など、エアコンの故障原因が「水濡れ」である場合、火災保険を使った修理が可能です。

台風の影響

台風被害によりエアコンの室外機に損害があった場合も、「風災」補償により火災保険で修理が可能です。

落雷

自宅付近に大きな雷が落ちた場合、コンセントを通してエアコンの故障に繋がるケースがありますが、落雷による損害も火災保険の適用範囲内となります。

外的要因

駐車場にあるエアコンの室外機に車をぶつけてしまったことが原因による室外機の故障など、落下・飛来・衝突など、外的要因による破損・汚損も火災保険での適用対象です。

火災保険が使えないケース

エアコンは火災保険の補償範囲ですが、その故障原因によっては、火災保険が使えないケースもあります。

ここでは火災保険の対象外となるケースをご紹介します。

経年劣化

火災保険では、経年劣化を補償対象外としています。そのため、エアコンの故障原因が長年使用していたことによる経年劣化が故障の原因であった場合、火災保険の補償はありません。

業者による不備

エアコン業者など施工業者の不備によって発生した損害は、火災保険の対象とはなりません。

しかし、この場合はご自身で負担する必要はなく、業者が負担すべき費用になりますので、業者へ損害額を請求するようにしましょう。

エアコンの補償は「建物」に含まれる

火災保険の補償対象には大きく分けて「建物」と「家財」の2種類があり、総務省消防庁のHPでは、以下のように定義されています。

建物は、いわゆる「一棟」全体が保険の対象となります。通常は、畳や建具、電気・ガス設備、屋内冷暖房設備、門や物置などもその中に含まれます。

家財は、建物に収容されているもの「一式」で契約します。生計を同じにしている親族の家財もこの「一式」の中に含まれます。

引用元:総務省消防庁「損害保険 3.損害保険の種類 火災保険

家財の主な補償対象は、家具家電・衣類などであるため、エアコンも「家財」なのでは?と考えてしまいそうですが、一般的にエアコンは「建物」の補償対象に含まれます。

三井住友海上のHPには次のように記載されていました。

Q.エアコンは家財に含まれますか?

A.保険の対象が自己所有の住宅に所在する家財の場合、エアコンは建物に定着しているため、家財に含まれず建物の補償に含まれます。そのため、家財の保険では補償の対象となりません。なお、保険の対象が借用住宅(賃貸物件)に所在する家財の場合でエアコンの所有者と建物の所有者が異なる場合、家財の保険で補償の対象となります

引用元:三井住友海上「家財の保険」

MEMO
室外機も同様に「建物」の補償対象となりますが、上記記載の通り、賃貸物件である場合は「家財」の補償対象になるということを知っておきましょう。

エアコンの修理代・交換費用は全額補償される?

エアコンの修理相場は部位によって異なりますが、1万円〜13万円程度。買い替えとなると平均10万〜27万円と大変高額になります。この修理金額または新たなエアコンを購入した金額のうち、どのくらいの費用が補償されるのかが気になるところ。

エアコンの修理費用が全額補償されるかに関しては、

  • 免責金額
  • 契約方式

上記2つによって異なります。今から詳しく解説していきます。

①免責を差し引いた金額になる

火災保険では、建物や家財が事故や損害を受けた時の自己負担額である「免責金額」を設定している場合があります。

1万円・3万円・5万円・10万円など各保険会社の設定する免責金額を火災保険の契約時に設定します。免責金額が高ければ高いほど、保険事故を起こした際の事故負担額は大きくなりますが、その分火災保険の保険料は安くなるといった特徴を持っています。

例えば、エアコンの修理見積もりが10万円の場合、免責金額5万円を付帯している火災保険で支払われる保険金は免責金額を差し引いた5万円となります。

つまり、免責金額が低いほど、エアコンの修理代金として支払われる保険金は高くなります。

②風災でFC方式の場合、20万円以上の損害補償のみ

風災・ひょう災・雪災によって受けた損害では、免責方式とフランチャイズ方式(FC方式)の2つから選択することができます。

フランチャイズ方式とは、損害に対する修繕費用が20万円以上である場合に支払う契約です。

Q. 風災・雹(ひょう)災・雪災支払条件変更(20万円以上事故補償)特約とは何ですか?

A. 風災、雹(ひょう)災、雪災の事故によって保険の対象に20万円以上の損害が発生した場合、免責金額を適用せずに損害保険金をお支払いします。ただし、20万円未満の損害の場合は損害保険金をお支払いしません。

引用元:三井住友海上「よくある質問」

20万円以上の損害に対しては損害額の全額が給付されますが、20万円以下であった場合には一切の補償がない。というのがフランチャイズ方式の特徴です。

エアコンの費用を申請したい!給付金の請求方法は?

これまでの記事からエアコン修理で火災保険が使えることが分かったら、早速保険会社へ請求しましょう!

ここでは、エアコンの修理費用を保険会社に請求するための具体的な方法をお教えます。

誰でも簡単に請求可能

保険の知識がない方は、火災保険の請求を難しく考えてしまうかもしれません。

しかし、火災保険の請求は至ってシンプル。保険会社の申請用紙に記入し、指定された必要書類を提出するだけです。

ほとんどの損害保険会社では24時間対応のコールセンターが設置されており、誰でも簡単に保険を請求できるシステムが組まれています。

不安な方は、保険の担当者やコールセンターのサポートを受けながら準備しましょう。

主な準備物はたった3つ

火災保険を請求する際に必要となる基本的な準備物は以下の3つです。

  1. 保険金請求用紙
  2. 修理見積書
  3. 事故状況説明書

損害の状況を把握するために、損害時の写真を求められることもありますが、どの保険会社でも上記3つを提出する必要があります。

エアコンを火災保険の補償に入れたい場合の注意点

火災保険には、エアコンを補償する保険はありません。しかし、エアコンは家電製品の中でも高価なもの。

エアコンが故障したら、修理費用は保険でまかないたい。という方は次の内容を確認しておきましょう。

「電気的・機械的事故補償特約」に加入してより広い故障内容をカバー

エアコンのメーカー保証期間が切れている方におすすめなのが「電気的・機械的事故補償特約」です。

過電流が流れ、エアコン内部の回線がショートした、アーク、スパーク、焼き付き、破損などを含むエアコン内部の電気的・機械的な損害まで、「電気的・機械的事故補償特約」に加入すれば、より広いリスクに備えることができます。

ただし、メーカー保証内の事故は保険対象外ですので、特約に加入する前に、エアコンのメーカー保証期間を確かめておきましょう。

免責は0にしておく

火災保険の対象であってもエアコンの修理金額が設定した免責金額を下回る場合、保険金を受け取ることはできません。

修理代の全額を火災保険で支払いたいと考える人は、フランチャイズ方式を選択せず、免責金額を0円に設定しておきましょう。

まとめ

自然災害や不測な事故によって起きたエアコンの損害であれば、買い替えや修理代の費用を、火災保険で補償することができます。

火災保険の請求方法は決して難しいものではありません。火災保険が使えるかどうか自分では判断できない。という方もまずは一度、保険会社に電話し、故障の原因を伝えてみることをおすすめします。

さらに「エアコン修理で自己負担をなくしたい」「エアコン修理の補償範囲を広げたい」と考えている方は、契約時に電気的・機械的事故補償特約をつけること、免責金額を0円に設定することを忘れないようにしましょう。