火災保険の保険金は自由に使える?給付金の正しい使い道を知っておこう

「修理費用にあてなかったら詐欺になる?」

「火災保険の保険金を生活費にあてても良い?」

火災保険は、所有している「建物」や「家具」に生じた損害に備える保険です。当然のこと、火災保険でもらった保険金は修理に当てるべきなのでは?と考えますよね。

では、もしも修理以外のことにもらった保険金を使用すると、どうなるのでしょうか?この記事では、火災保険で受け取った保険金の使い道について解説していきます。

火災保険でもらった保険金の使い道は自由?

「建物」や「家財」に対して損害があったら、その修理費用を補填してくれるのが火災保険です。なので、保険金は修繕費用に使用すべき・・・ではありません。

ここで結論を言うと、火災保険でもらった保険金の使い道に決まりはなく、使用用途は自由です。

つまり、修繕箇所以外の修理費に使うことはもちろんのこと、生活費や娯楽費など自由に使用することができます。

そのうえ、受け取った保険金には税金がかからない

保険とは本来、損害部分の補填であり利益があるものではありません。税金は利益が出るところに発生するものですので、火災保険の保険金は非課税であり、たとえ受け取った金額が100万でも1000万円でも確定申告の必要もありません。

火災保険の保険金を修繕費用に使わなくても良い理由

損害に対して支払っているのになぜ、使用用途が自由なの?と疑問に持つ方もいらっしゃるかもしれません。必ずしも修繕費用に使用しなくても良い理由をご説明します。

まずは保険の定義を見てみましょう。保険法の第二条によって以下のように記されています。

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 保険契約

保険契約、共済契約その他いかなる名称であるかを問わず、当事者の一方が一定の事由が生じたことを条件として財産上の給付を行うことを約し、相手方がこれに対して当該一定の事由の発生の可能性に応じたものとして保険料(共済掛金を含む。以下同じ。)を支払うことを約する契約をいう。

六 損害保険契約

保険契約のうち、保険者が一定の偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補することを約するものをいう。

引用元:保険法

これら2つを要約すると、一定の偶然の事故によって生じた損害を条件として財産上のてん補を行うものが損害保険契約の定義としてあげられています。つまり損害保険は、単に契約上の損害によって失った財産を補填するためにある商品であって、何に使用するかまでの縛りはないということ。

見積書を提出して修理費用として請求したのに、他に費用にまわしていいの?と後ろめたくなる必要は全くありません。旅行に使っても教育費に使っても合法です。

保険会社へ隠す必要もなく、修繕費用以外へ堂々と使用することができちゃうのです。

何のために修理見積書を提出するの?

火災保険で保険金をもらう際、ほとんどのケースで修理見積書の提出が必要となります。

保険会社からすると修理見積書は、あくまでも損失した財産を数字(金額)ではかるために必要な指針のようなものです。いくら支払うかを決定するために修理見積書の提出を求めているのであって、必ず修理しなければいけないという訳ではありません。

MEMO
実は、修理見積書がない場合でも、損害保険会社が派遣した鑑定人によって被害状況を判定することができます。はじめから修理するつもりはないという人は、修理見積書を準備せずとも保険金を受け取ることができるのです。ただし、この場合は見積書を提出して保険金を受け取るよりも、多くの時間が要してしまうので注意しましょう。

保険金を修繕費用に使わなかった場合のデメリット

これまでにお伝えしたとおり、火災保険でもらった保険金の使用用途は自由ですが、保険金を修繕費用に使わなかった場合にデメリットが生じてしまいます。

ここでは2つのデメリットをご紹介しますので、これらデメリットも踏まえて保険金を何に使うかを決めることをおすすめします。

デメリット①:同じ箇所で損害があっても補償されない

火災保険で請求した箇所を修繕せず、新たな損害が発生した場合、火災保険での補償を受けることはできません。

保険会社からすると、修繕すべき箇所の修理を怠り、放置していたことが今回の損害の原因であると判断します。これは明らかな契約者の過失とみなされるため、保険の請求はできなくなります。

MEMO
ただし、保険金を修繕費用にあててはいないが、実費で修繕を行ったあとに同じ箇所の損害が見つかった場合は保険適用となります。

デメリット②:放置すると損害が広がってしまう

火災保険を請求した損害箇所は、今すぐ修理が必要ないと判断したとしても、そのまま放置していると、次の天災でさらに被害を受け、前回よりも大規模な修理が必要になる可能性があります。

注意
しかし、デメリット①でお伝えしたように、保険請求した同一箇所の修繕していないと保険金を請求することができませんので、注意しましょう。章

火災保険の保険金は修繕費用に使用するのがベスト

数十万〜数百万円の修理費用として火災保険をもらえたら、臨時収入が入ったような得した気分になりますよね。

しかも、使用用途は決まっておらず、旅行や買い物、その他娯楽費でも何でも使ってもいいなら、好きなことに使ってしまおう!・・・という発想は危険です。

いくら使用用途が自由であるといっても、やはり修繕費用にあてることをおすすめします。なぜ修繕費用に使用するべきなのか?その理由3つあります。

理由①:建物の寿命が短くなる可能性がある

修繕せずに放置することは、損害部分を悪化させ、建物自体の寿命を短くしてしまう可能性があります。実際に、古い建物の修理部分を放置したことが原因で地震の際に全壊してしまったというケースもあります。長く住み続けるためには、定期的なメンテナンスが必要であり、そのための火災保険であるといえるでしょう。

理由②:火災保険に加入している意味がなくなってしまう

損害があるたびに、保険金を受け取り、そのまま修理せずにいると、火災保険で請求可能な場所はどんどん減っていきます。

補償を受けるために保険料を支払っているのにも関わらず、補償が受けなくなっていくのでは火災保険に加入している意味がなくなってしまいます。

理由③:本当に修理が必要になったときに修理費用は実費になる

いまは緊急を要しない損害だったとしても今後、さらに大きな損害があったり、早急に修繕が必要な損害内容であった場合は、やむおえず実費での修理を行わなければなりません。

その際は火災保険を使うことができないので、結局まとまったお金を自分で準備する必要が出てきます。家の老朽化は止めることができません。放置してもいずれどこかで修繕が必要になるのであれば、保険金をもらえた今の間に火災保険を使って修繕しておくことが得策です。

まとめ

受け取った保険金は、あくまでも損失した財産を補填するものであって、必ずしも修繕費用に使用すべきものではありません。

これまで、必ず修繕費用に使用しないといけないと思っていた人は驚いたのではないでしょうか。しかし、火災保険の保険金を修繕費用にあてないことで生じるデメリットもあります。

そこで大切なのは、損害内容が今後広がっていく可能性があるか、早急に修繕が必要な箇所であるか、などのデメリットも把握した上で、受け取った保険金を何に使用するかを判断することです。

とはいえ、緊急的にお金が必要ではない限りは、最後にお伝えした3つの理由からも、保険金は修繕費用に使用することをおすすめします。