この記事をご覧になる人は、火災保険を使った屋根修理ができるという情報をどこかで手に入れたのではないでしょうか?
屋根修理で保険金がもらえる事例は実際にありますが、火災保険で適用されるにはいくつかの条件があります。
今回は、どんな時に保険が下りるのか、適用となる条件から気になる屋根修理の相場をご紹介。また、屋根修理で火災保険を使いたい人のための申請の方法やコツをまとめています。
火災保険を使って屋根を修理する方法5ステップ
屋根の修理が必要となった時、どうすれば火災保険が使えるのかが分からない。という方に、誰でも簡単に火災保険を使った屋根修理ができる方法5ステップをご紹介します。
屋根の損害原因を知る
火災保険が使えるかどうかの大切な鍵となるのが「屋根の損害原因」です。
まずは、すぐに修理が必要な状態であるか、など屋根がどんな状態にあるかを把握することが大切です。
ハシゴに登ったり、望遠鏡で確認するなど、自分で確認できる箇所であれば、それも一つの手段ですが、素人目で見ても原因を特定することは難しく、危険も伴うため、おすすめできません。
やはり、屋根の損害状況とその原因を正しく知るためには、プロの業者へお願いすることが確実です。
火災保険会社へ連絡する
修理業者に来てもらい、屋根の損害原因が経年劣化によるものではなく、自然災害や飛来物が原因による破損だと判断されたのであれば、加入している火災保険会社へ連絡を入れます。
破損の原因や屋根の状態を聞かれることがありますので、業者に点検してもらった内容を説明できるようにしておきましょう。
申請の際に必要な書類は以下の3つ。ただし、申請に必要な書類は、各保険会社によって異なりますので、必ず確認するようにしてください。
- 給付金申請用紙
- 修理見積書
- 屋根の損壊箇所の写真
電話での申請後、申請書類等必要な書類がすぐに自宅まで送付されます。
屋根修理業者もしくは申請サポート業者へ依頼し、修理見積書を取る
修理見積書は、自分で準備することができませんので、業者へ依頼する必要があります。
業者への依頼は、屋根修理やリフォームなどを専門にしている修理業者へ依頼するか、申請代行サポート業者へ依頼するかのどちらかを選択しましょう。
修理専門業者へ依頼する場合は、修理見積書以外の火災保険の申請に必要な書類を自身で揃える必要がありますが、申請サポート業者へ依頼した場合は、火災保険申請のプロが見積書を含む必要書類を準備してくれるため、スムーズかつ正確に進めることができます。
火災保険申請を行う(保険会社による調査)
申請に必要な書類が揃ったら、いよいよ火災保険の申請を行います。
と言っても、必要書類を所定の封筒に入れてポストに投函するだけです。スムーズに申請が通れば、数日〜数週間で審査が完了しますが、書類に不備があった場合や、書類のみでは不十分と判断されると、保険会社が委託した調査員が自宅を訪れて損害箇所の調査にきます。
給付金を受け取る
火災保険会社による調査が完了したら、給付金を受け取ることができます。
給付金は、申請時に指定した口座に振り込まれ、申請は完了します。
屋根修理で火災保険が適用になる3つの条件
一口に屋根修理とっても、そのすべてが火災保険の対象となるわけではありません。
火災保険を使った屋根修理を行うには以下の3つの条件を満たしていつ必要があります。
自然災害による損害であること
リフォーム業者や申請代行業者の中には「どんな屋根修理でも火災保険が使えます!」と謳っている会社がありますが、これは間違いです。
火災保険で補償されるのは、基本的に「自然災害」(火災・水災・風災・雪災等)が原因となる損害であることが条件となります。自然災害以外では、飛来物などにより屋根に受けた損害などを含む「不測かつ突発的な事故」に対して補償されます。
「不測かつ突発的な事故」とは、具体的にどのような事故ですか?
不測かつ突発的な事故とは、予測不可能な事故(繰り返し同内容の事故が発生する場合を除く)で、事故の原因や事故日がはっきりしている事故です。
言い換えれば、長年使用したことにより徐々に劣化していく「経年劣化」は、予測できた損害と見なされるため、火災保険では補償されません。
加入している火災保険の適用範囲かつ適用対象であること
次に条件となるのが、損害原因となった水災や風災の補償に加入していることです。
火災保険には、自然災害のリスクをすべて補償するセットプランもありますが、補償ごとに選択するプランもあります。
例えば、屋根の損害を受けた原因が台風であった場合「風災」に加入していること。大雨による雨漏りで屋根修理が必要となった場合「水災」に加入していること。が条件となります。
被害を受けた日が明確かつ3年以内であること
3つ目の条件は、被害を受けた日から3年以内の申請であることです。
これは保険法第95条によって定められている条件で、すべての保険会社、すべての損害に対して適用されます。3年を経過した時点で、事故は時効となる旨が記載されています。
第95条(消滅時効)
保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第63条又は第92条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、これらを行使することができる時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。
引用元:保険法
つまり、3年以内であるということが明確でない場合、損害の原因や日付が分からない事故に対しては補償を受けることができません。
屋根修理は高い?! 屋根修理の相場を徹底調査!
屋根修理を行うためには、作業のために足場を準備する必要があります。足場を組む費用だけでもその費用は約12〜20万円(2階建一軒家の場合)ほどの費用がかかります。
屋根修理を全体を行う場合と屋根全体の吹き替えを行う場合の平均相場を見てみましょう。
- 全体修理:90〜180万円ほど(1棟あたり)
- 一部修理・部品交換:20〜30万円ほど
修理部位によって大きな差のある屋根修理ですが、屋根修理の平均的な相場は20万円を超えた高額な傾向にあることが分かります。
火災保険で申請する際の以下の注意点に気をつけよう!
火災保険は専門的な言葉が多く、知識がない一般の人には分かりづらい内容となっています。
悪徳な業者はそんな無知の人を狙って、甘い言葉で営業をかけてきます。悪徳業者に捕まらないためには、ある程度の正しい知識を知っておくことが大切です。
ここでは、火災保険の申請で特に注意して欲しいことをまとめています。
経年劣化による屋根修理の場合は火災保険は使えない
屋根修理の大半は経年劣化によるものですが、火災保険の補償では経年劣化は適用とならず、火災保険を使った屋根修理をすることができません。
特に10年以上経過した家で起こった屋根の災害は、経年劣化が疑われるので注意しましょう。
屋根修理は特に詐欺被害やトラブルが多い!
悪質な住宅修理のトラブルにより国民生活センターへの相談件数は10年で約50倍にもなっています。
屋根修理は、契約者自身が確認することができない箇所であるのを良いことに、その原因や被害状況を偽って伝え、保険会社へ虚偽の申請を促してきます。
【実際の屋根トラブル事例】
- 「屋根の瓦がずれていて心配だ。工事をしないと大変なことになる」と来訪した業者に言われて屋根工事の契約をしたが、解約したい。
- 「近くで工事をしている」と言って作業員が訪ねてきた。翌日、別の作業員も連れてきて「点検します」と言い、屋根に上った。瓦が割れた写真を見せられ、「このままではもっとひどい状態になる」と言われて屋根工事の契約をしてしまった。
- 台風の後片づけをしていたら、業者が来訪し、損害保険を使って無料で雨どい修理ができる、経年劣化で壊れたものも保険でできると言われた。不審だ
- 台風で自宅の屋根瓦がずれ、見積もりのつもりで業者を呼んだら、屋根にビニールシートをかけられ高額な作業料金を提示された。仕方なく支払ったが納得できない。
引用元:国民生活センター
特に高齢者を狙った案件が多く、実際に自宅へ突撃訪問。甘い言葉をかけ、その場での契約するように誘導してきます。
そんな場合は、すぐに契約せず、代理店や保険会社に確認するようにしましょう。万が一、その場で契約してしまった場合はクーリング・オフ制度があります。業者に高額なキャンセル料金を要求されても応じる必要はありませんので、支払わず、消費者センターへ相談してみましょう。
まとめ
火災保険で屋根修理を考えているのであれば、まずは屋根の損害原因と損害規模を知りましょう。
破損原因が経年劣化によるものではなく、自然災害によるものであった場合には、屋根修理で火災保険を使うことができます。
しかし、火災保険を使った悪質なリフォーム業者は年々増加している現状があります。言葉巧みに勧誘してくる業者には、くれぐれも注意し、屋根修理の適正な額を受けとりましょう!