修繕が必要になった場合に火災保険を使ってリフォームができると助かりますよね。
しかしネットで調べて見ると
「火災保険を使って無料でリフォームできます」
「リフォームに火災保険は使えません」
など会社によって違ったこと言っていてどの情報を信用していいのか分からない。という方も多いのではないでしょうか?
そこで、本記事では火災保険を使ってリフォームをするとどうなるのか?実際にあったトラブル事例から注意点まで徹底解説していきます。
これからリフォームを検討している人はぜひ、お役立て下さい。
リフォームで火災保険が適用になる条件は?
結論から言うと、経年劣化など古くなったものを新しくするための目的のみで、火災保険を使ったリフォームをすることはできません。
ただし、火災保険が適用になるリフォームもあるのです。
そこでどんな条件であればリフォームが火災保険の適用になるのか、その具体的な内容をお伝えしていきます。
火災保険を使うならあくまでも「修理」であること
修理が目的であるリフォームの場合のみ、火災保険を使用することができます。
修繕以外の目的での火災保険は、適用されない考えても良いでしょう。
火災保険の適用対象になるリフォームの具体的な原因は以下のようなものがあります。
これらが原因による、修繕リフォームであれば火災保険が適用になる可能性は高いです。
火災保険が適用になる条件は補償範囲であること
ただし、上記表の具体例にある事故が原因だとしても、加入している火災保険の補償範囲内に該当していなければ保険金をもらうことができません。
火災保険は、火災のみを補償するシンプルな内容のものからすべて補償する手厚い内容のものまでさまざまです。
火災保険加入時にどこまでを補償範囲にしているかによって、リフォーム時に火災保険の適用対象になるかが異なってくるので、ご自身の補償内容はしっかりと把握しておきましょう。
火災保険でリフォームをした場合の注意点
火災保険を使ったリフォームをする際の注意点をまとめています。
依頼した業者が「火災保険でタダになりますよ!」と言っている場合でも、内容によっては火災保険適用外のこともあります。
このような悪質な業者に騙されないためにも、リフォームをする際の注意点は知っておきましょう。
老朽化によるリフォームは火災保険の対象外
火災保険を使ったリフォームで火災保険が使えるのは、偶然かつ突発的な事故や災害が原因による修理の時のみでしたので、老朽化など時間とともに自然と消耗されたことが原因のリフォームは対象外です。
日本損害保険協会によると、保険金が支払われない事由は以下の通り。
火災保険では、主として次のような事由によって生じた損害に対しては、保険金は支払われません。
- 1.契約者、被保険者などの故意、重大な過失、法令違反
- 2.戦争、内乱、暴動などの異常な事態
- 3.地震・噴火またはこれらによる津波(注4)
- 4.家財が屋外にある間に生じた盗難
- 5.保険の対象の自然の消耗、劣化、性質による変色、さび、かび、腐敗、ひび割れ等によって生じた損害
- 6.核燃料物質等による事故、放射能汚染によって生じた損害 など
- 引用元:日本損害保険協会
上記の5番に該当する自然の消耗、劣化、さび、腐敗等によるリフォームは保険適用の対象外となっているため、老朽化による保険金を使ったリフォームは認められていないというわけです。
リフォーム増築部分は新たに申請する必要がある
修繕目的でリフォームを検討し始めたけど、折角ならこの機会に増築したいという人もいるでしょう。
しかし、増築を行った場合には、その旨を保険会社に伝える必要があるということを忘れずに覚えておきましょう。
増えた建物面積に対する保険金額を設定の上、追加で保険料を支払うことで増築部分も補償範囲とみなされます。
この手続を行っていない場合、自然災害等で増築部分に被害があった場合に保険金が支払われません。さらに、最悪の場合は告知を怠っていたと判断されて契約解除になる可能性もありますので、気をつけましょう。
火災保険を使ったリフォームのトラブルって?
火災保険を自分で行うと請求金額が思ったよりも少なくなってしまう場合や、電話での言い方一つによっては1円も保険金が下りなかったなんてことも実際にあります。
そこで、保険の知識を持ったプロの代行業者へ火災保険の請求を任せる人も多いでしょう。
しかし、その代行業者によっては保険金を実際の被害額よりも多く請求し、成果報酬として保険金の50%を請求してくる、工事の解除を申し出たら高額な違約金を請求されたなど、リフォームを利用した悪質なトラブルがあとを経ちません。
トラブル事例とその対処法をご紹介
万が一、請求者本人が詐欺行為だったと知らなかったとしても、必要以上の保険金を請求し、受け取ってしまった場合は保険金詐欺として罪に問われてしまう恐れもありますので「簡単に大金が入ってきますよ」などといった甘い誘惑で安易に判断してはいけません。
実際に保険法によって、重大事由による解除に関しては以下のように定められています。
(重大事由による解除)第三十条 保険者は、次に掲げる事由がある場合には、損害保険契約を解除することができる。
一 保険契約者又は被保険者が、保険者に当該損害保険契約に基づく保険給付を行わせることを目的として損害を生じさせ、又は生じさせようとしたこと。二 被保険者が、当該損害保険契約に基づく保険給付の請求について詐欺を行い、又は行おうとしたこと。三 前二号に掲げるもののほか、保険者の保険契約者又は被保険者に対する信頼を損ない、当該損害保険契約の存続を困難とする重大な事由引用元:保険法
ここでは、そんな被害に合わないためにも国民生活センターに寄せられている実際に起こった過去の保険トラブルの事例とその対処方法をご紹介します。
事例①:見積もりと修理内容が異なる。なかには修理を行わないケースも。
保険請求のために仮の見積もりを作って、保険金が下りた金額によって修理内容を変えるという業者があります。
引用元:国民生活センター2018 年6月受付 契約当事者:60 歳代 男性 東京都
「保険で自宅の修理工事が無料でできる」という新聞の折り込み広告を見た。広告を出た事業者に「数年前の大雪で雨どいや物置が壊れた」と電話で問い合わせると「保険を使って無料で修理工事ができる」と言われたので、見積もりなどを確認しないまま、雨どい修理と物置 設置の契約をした。その際、保険金の請求手数料として「当社が工事した場合は保険金の 20%、 他社が工事した場合は保険金の 40%」を支払うという誓約書にも署名をした。保険会社からは 約 100 万円の保険金が支払われた。 その後、この事業者に何度問い合わせても修理工事を始めず、何度も催促してようやく持ってきた見積書では、ホームセンターなら30 万円で買うことができる物置の設置だけで 100 万円 という内容であった。このような修理工事の内容ならキャンセルしたいと言うと、また話が進まなくなった。事業者は修理工事をしなくても約 40 万円の手数料が入ってくるので、何もする気がないのではないか。
このような業者では、修理代金をできるだけ安く済まそうとするため、修理を行ってもその内容がずさんだったり、中には上記例のように修理を行わず代行手数料のみを請求してくるようなパターンもあります。
しかし、保険が下りてからのトラブルは契約の段階では気づきにくいものですよね。対処方法としては、信頼できる代行業者を見つけることです。
事例②:うその損害理由を強要する
高齢者を狙った以下のような事例が多発しています。
引用元:国民生活センター「保険適用で住宅修理」というチラシがポストに入っていた。数日後、チラシの事業者が訪問してきて「雨どいが一部破損しているので、保険を使ってすべて交換してはどうか。雪害、 風水害で破損した場合は保険適用になるので費用負担なしで交換できる」と言われた。雨どいの破損は自然災害ではなく経年劣化だと思うし、破損は一部なのにすべて交換というのはおかしい。そのことを事業者に伝えると「保険の申請のとき、私どもでうまくやるので大丈夫」と 言われた。そのようなことをすれば保険金詐欺になるのではないか。2018 年6月受付 契約当事者:60 歳代 男性 神奈川県
いくら保険請求代行業者といえども、実際の保険申請は被保険者である本人が行わなければなりません。そんな時、実際の被害はないにも関わらず「こんな風に言ってください」と口裏を合わせを強要してくる業者は要注意です。
まとめ
事故や自然災害による被害が原因の修理を目的としたリフォームであれば、火災保険を使ったリフォームは可能です。
リフォームはできないと諦めていた方も、この機会に火災保険を活用したリフォームをしてみてはいかかでしょうか?
しかし「自己負担なし」を強調し、手数料や違約金の事前説明がないリフォーム業者との契約はおすすめできません。
最悪の事態に陥らないためには、事前に正しい知識を持っていることが大切です。ぜひ、この記事を参考にしてみてくださいね。